どれだけたくさんの人々に見送られて来たのだろう…。どれだけいっぱい手を振ってもらったのだろう…。美しく輝く夕陽に照らされ、満天の星空を仰ぎ(この部分は想像ですので…)、1200kmにもおよぶ長い長い花道を通り抜け、最後の北斗星は僕たちの目の前に現れた。
2015年8月23日撮影
※後ろ姿ではありますが写っているご本人に念の為掲載許可をいただきました
最寄の駅に停まるわけでもない…毎日上野と札幌を行き来するのにそこを通過して行くだけの日常の中の非日常な存在。地域の生活の中において決して深い関わりがあるとは言えないけれど、長い間その姿を毎日のように観る事が出来たひとつの日常。
沿線地域の日常をちょっとだけ彩って来た青いながれぼし『北斗星』に、鉄道ファンだけでなく地域に住む人達もお別れにやってきて各々写真や動画を撮ったり笑顔で手を振ったり、なかには手作りのボードを掲げて見送りみんなでさよならをする。
よくみると…助手側にいるクルーが沿線でお別れする人達に手を振っていた…。
果てしなく長い花道をたくさんの人々に見送られ、本当に最後の終着駅に向けてラストスパートをかける北斗星のクルー達はどんな事を想い列車を走らせていたのだろう…。
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北斗星沿線の撮影地は良く知らず、何処に行こうかなんてハッキリ決める事が出来ないままフラフラとたどり着いた埼玉県内のとある市街地。通過10分位前の到着だったので線路脇にはすでに多くの人々がスタンバイしてました。
おそらくご近所の家族連れと思われる方々の後方にスタンバイさせていただき撮影出来たのが今回の写真でした。
そのご家族は過ぎ行く北斗星に向けて掲げるボードを準備されており、僕が背後に立つことを気にかけてくれました。
僕自身も脚立に乗っていたので大丈夫ですよと返事したものの掲げてみてもらうとなるほどコレはなかなか(^^;;
そこで僕が地面に降りてボードを掲げるその方に背後の脚立に立ってもらう提案をしてこのような写真が出来上がったという経緯がありました^_^
今思えばなんで通過の最中うしろ振り返って掲げられたボードと通過する北斗星を撮るという発想が出来なかったのかと若干悔しさもありますが、なにはともかく埼玉で北斗星の最後の勇姿を拝める事が出来て本当に良かったなと思います。
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それにしても、いつものようにお別れは流しで決めるつもりでチャレンジしましたがまたまたやっちゃいました(^^;; メインの被写体『北斗星』はもうぶれっぶれ(^^;;
けど…ズーム流しを続けて行く中でひとつの目標としている表現には近付けた印象があり、最後の記録としてふさわしいと思いココで紹介する事に決めました。
静止してる人物はきっちり止めて走る列車はきっちり『走らせる』という表現。
流し撮りで人物と列車を同時に撮影するにはいい手法だなとお気に入りで、時々意識的に使ってみる事もありますが、さすがに難しいもので。
カンは掴めて来てるかな…と感じるところもあるにはありますが、もっと精進してきっちりモノにしたい手法です。
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ここらで…
おそらく以前に紹介した写真がほとんどですが、最後に数少ないながら現役時代の記録を数枚紹介させて頂いて締めようと思います。
撮影地 : 東北本線 赤羽駅~尾久駅 撮影時期 : 2010年8月22日
撮影地 : 東北本線 赤羽駅 撮影時期 : 2015年2月2日
撮影地 : 東北本線 白岡駅 撮影時期 : 2015年2月15日
撮影地 : 東北本線 赤羽駅 撮影時期 : 2015年3月11日
撮影地 : 東北本線 東鷲宮駅 撮影時期 : 2015年5月9日
最後のブルートレイン、寝台特急『北斗星』…さようなら…。