裏方に徹する。ただひたすらに…。

真っ赤な新幹線E6系車両もだいぶ見慣れた存在になってきました。営業運転でだいぶ走り込みを続けたという印象が車体に現れるようになって来ましたが、それでも未だそのインパクトある色彩の輝きに目を奪われっぱなしです。

e5e6_01_JR東日本E5系新幹線とE6系新幹線   撮影地 : 東京駅

e6_00_E6系新幹線『スーパーこまち』の車体側面にあるシンボルマーク

 

鮮やかな茜色の車体を輝かせ華々しく活躍するE6系『スーパーこまち』の中に、ただ1編成だけ未だ営業運転には就かず裏方として地道に日々試運転を続ける車両がいます。

e6s12_04_e6s12_03_ e6s12_02_ e6s12_01_※大宮駅でひと時の休息。仙台方面からやって来た試運転列車はここで折り返し、しばらくしたらまた仙台方面へと走り出します。

 

『S12編成』…そう呼ばれています。E6系車両の中で最初に製造された量産先行試作編成です。見た目は普通に『スーパーこまち』そのものです。

営業運転で表舞台に立つ編成は『Z編成』と呼ばれ、製造順にZ2・Z3・Z4・Z5…と編成番号が割り当てられています。S12編成も試作編成としての役割を終えた後は、以後の量産車と仕様をそろえる改造を行い、晴れてトップナンバー『Z1編成』として遅ればせながら裏方を離れ表舞台にデビューする事になると言われています。あくまで伝え聞いた話なので詳しい事情を知るわけではなく、実際はどのように状況が変化するのかはわかりません…。

この編成は製造されてからすでに3年以上経っており、後続の量産編成がすでに活躍を始めた現在も地道に裏方としての役割に徹していますが、この試運転がどのような目的で行われているのか僕自身はきちんと理解していません。

ただひとつ言える事は新幹線の撮影に出向くと時々見掛けるその姿は常に激しく汚れ、何か厳しい試練にさらされているような雰囲気が伝わって来るという事…。

e6s12_05_e6s12_06_e6s12_07_e6s12_08_e6s12_09_※E6系S12編成を大宮駅にて撮影。窓周り・ドア周り・そして特に足回り…激しい汚れが厳しい試練に耐えて地道に走りぬく姿を象徴するかのよう…。

 

表舞台で活躍するZ編成の車体側面で存在を大きく主張するシンボルマークもS12編成には無く、客室のカーテンも常に閉めっぱなし。久しぶりに見かけたその姿は以前見た時よりも更に汚れが激しく…。長い間孤独に耐え陰で闘い続けてきた姿そのもののようにも思えます。

『スーパーこまち』の姿でありながら華があるとは決して言えないけど、ただ地道に裏方に徹して走りぬくその姿…本当はとてもカッコいいのかも知れません。

もうすぐ秋田新幹線『こまち』が全てE6系車両に置き換わりますが、その頃にはあの大きなシンボルマークを与えられ、閉じていたカーテンを全開に明るい陽光をいっぱい客室に採り込み、長い間裏方お疲れ様と労われるかのように車体もピカピカに磨かれ、晴れて『Z1編成』として表舞台に立てる日が来るのでしょうか…。その時を楽しみに待ちたいと思います。

e6s12_10_※E6系新幹線S12編成が試運転走行する姿を一度だけ捕える機会に恵まれました。迫力はあるのですがもっとビシッとカッコよく決めたかったなと…(苦笑)。やっぱ新幹線は速いです!もっと腕を磨かなければ(笑)。   撮影地 :小山駅

 

 

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