タイムカプセル

13年という永い時を超えて発掘されたタイムカプセルが開かれた時、遠い過去の記憶が急速に蘇ってゆくように…それは目の前に…夜の町田の風景に飛び出して来た。


東京メトロ(旧 帝都高速度交通営団)千代田線6000系image撮影地 : 小田急電鉄小田原線   町田駅〜玉川学園前駅   <2016年8月15日>


この春のダイヤ改正で、今まで38年間営団地下鉄(東京メトロ)車両だけが担ってきた常磐線・地下鉄千代田線・小田急線三社通しの直通運転に、ついにJR車両と小田急車両が加わり常磐線取手・我孫子〜小田急線唐木田の通し運転も大幅に増強され、ここへ来て名実ともに…と言うか本格的な三社直通運転が改めて開始されました。

それに加え、13年ほど前に小田急線直通先が唐木田にシフトしてからは完全に消滅してしまった三社通し運転の『準急|本厚木』ゆきが少数ながら復活して、そこに東京メトロ車両とJR車両も充てられるようになりました。

まだこどもの頃に、両親とよく出かけた柏駅である時、それまで見慣れた代々木公園の文字に代わって突然現れた代々木上原や本厚木の文字、6000系電車の方向幕(行き先表示)を回転させて出てくる『準急|本厚木』『準急|柏』『準急|我孫子』などの表示、駅や車内の案内に踊り始めた『小田急』の文字、更には綾瀬まで行けば常磐線内にまさかの小田急9000形車両がいたりして…、全てが衝撃的で見るたびテンションが上がってたのを覚えてます。

小田急直通運転開始当初から続いた『準急|本厚木』ゆきがある時突然なくなり何となくその状況に慣れつつも、もう見れないんだろうなという寂しさを感じてはいました。

それが13年のブランクを経て突然の復活。ちょうど東京メトロ車両が45年ほど活躍してきた6000系から新鋭16000系への世代交代が急速に進み始め、永く主力を務めてきた6000系が終焉という現実を突きつけられたこの時期に…。


小田急線車両を柏や我孫子で…JR常磐線車両を町田や海老名・本厚木そして多摩ニュータウンで見れるようになったのももちろん非常に感慨深いものがありましたが、6000系最後の活躍となるこの時期に『準急|本厚木』ゆきが…『準急|我孫子』ゆきが…遠い過去の思い出から飛び出し再び目の前に現れたこの状況はまさしく『タイムカプセル』を発掘し蓋を開けた時のような懐かしい気分なのかも知れません。


『さよなら9000形フェスタ』 <2006年5月13日>20060513_tm6000_oer9000_01_撮影地 : 小田急電鉄喜多見検車区唐木田出張所

タイムカプセルに収めていた写真をもう一枚…。こどもの頃は綾瀬で小田急9000形に出会えたらすごくうれしかったですね。


10年前に先に記憶のなかだけの電車となった9000形に遅ればせながら後をついてゆくように…、それなりに長寿だった6000系はようやく寿命を迎え16000系との世代交代が進むなか少しづつ現世から姿を消し記憶のなかの世界へ…。

あとどれくらいかわかりませんが、人生をともに歩んできた存在ともいえる馴染みの電車の行く末を見守っていきたいと思います。

 

 

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