『翼は消えず、生まれ変わる。』< 特急はくたか >

『電車でGO!』でしか知らなかった北越急行ほくほく線。そこを高速で駆け抜ける『特急はくたか』。ずっと憧れ続けていた在来線最速160km/hの超俊足特急が北陸新幹線の開業により役目を終えると知り、会いたい気持ちは加速する…。

そして2015年3月13日の引退を目前にした3月7〜8日、ついにその小さな夢が叶うことに…。

はじめまして『特急はくたか』。そしてさよなら…。もっと乗ってもっと撮りたかったなぁ…。実際乗車してみたら色々と感動があり余計にその気持ちが強くなってしまいました(^^;;

 

ところで今回の記事タイトルはJR東日本・JR西日本・北越急行が共同で制作したというポスターからそのままいただきました。あまりにカッコ良すぎて…。あまりに寂しすぎて…。

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< 実感した終焉の時 >

JR上越線 越後湯沢駅にてhakutaka_05_hakutaka_06_hakutaka_04_

北越急行ほくほく線普通電車HK100形車内にてhakutaka_02_本当に終わりなんだな…と思わされました。もう次の週末には『はくたか』はここにいないと思うと…。

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< はじめまして 特急『はくたか』 >

2015年3月7日『はくたか4号』 JR上越線 越後湯沢駅にて681ww_13_ 681ww_14_hakutaka_01_ついにあの『はくたか』に会う事が出来ました。乗車列車は『はくたか4号』でした。

今回、週末の2日間直江津にいましたが宿泊せず一旦帰宅していました。おかげで初めての…そしてお別れ乗車ながら往復で4回もはくたかに乗る事が出来ましたが、初日のはくたか4号だけは自由席で事前に過去乗車経験のあった方からの情報で…『はくたか自由席…覚悟してください…』と脅されてました(笑)。

…で、初日の土曜日。東京駅からスキー客でパンパンになってた上越新幹線Maxときの自由席にギリギリ座れ、その様子に若干の不安を抱えながら降り立った越後湯沢駅では大勢のスキー客と特急はくたか乗り継ぎ客の民族大移動が発生してました。

もちろんはくたか自由席は…座る事はおろか乗れるかすらあやしい猛烈な混雑…何とか乗り込みデッキに立つのが精一杯な状況でした。今回は越後湯沢から直江津まで乗車予定のはくたか4号は途中、六日町駅と十日町駅に停車しましたがこれ乗るの無理でしょ…という状況で、ついにはグリーン車以外の指定席のデッキと通路にまで立つ事が認められるとの案内が(苦笑)。

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初めての乗車で気持ちが高揚していたのもあるとは思いますが、とにかく色々なものに感動を覚える連続でした。はくたか4号が越後湯沢を発車して次の六日町へ向かうまでの間、デッキから何となく見える景色が最初の感動でした。周囲の街並みはメートル級の積雪であちこちにものすごい雪壁が…。この日は幸いにも晴天で周囲の山の雪化粧が一層映えてすごく綺麗でした。(写真撮れる状況ではなかったので…)

越後湯沢は昔スキーで何度か訪れた事もありましたし雪深い地域である事も承知でしたが、このように雪晴れの景色を列車から眺める事が出来たのは初めての事でした。

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六日町駅からJR上越線を離れほくほく線に入りいよいよ特急はくたかの本領発揮。途中トンネル内の信号場ではくたか同士の行き違いでお互いに一旦停車のシーンも見る事が出来ましたがそれ以外は全力疾走。デッキで人混みにもまれながらの乗車でしたから、最高速度160km/hといわれるその走りを堪能する余裕あるかな…と若干心配もしましたがそんな心配はかえって無用でした。

2日目のはくたか4号は指定席をゲットしていたのでゆっくり景色を眺めながら(乗車区間の半分以上トンネルですが…)割と静かにゆったりと過ごしていましたが、初日はデッキにいたことで静かな車内とはうってかわり全開走行中の様々な感覚を楽しむ事が出来ました。

実際にその列車が160km/h走行していたかはわかりませんが、デッキに立ってじっと車体の揺れを感じてみたりじっくり音を聞いてると真っ暗で狭い単線トンネルをモーターをフルパワーに轟音を轟かせ、全開で前へ前へ突き進む様子が想像出来ました。

『はくたか』として残り少ない時間を全力で生きてるように思えて何だか急に寂しくなってしまい、もっとほくほく線沿線に来れれば良かったな…とか、はくたかで富山や金沢に旅行行きたかったな…と思ってしまいました。

長いトンネルが連続する区間を全て抜けるとほくほく線区間もあと少し、広々とした田園地帯を単線の高架線で突き抜け直江津に向けてスパートをかけるはくたか4号。

その頃車掌さんから立山連峰の絶景等北陸エリアの観光案内放送が始まり、そしてはくたかが北陸新幹線として生まれ変わってもよろしくお願いしますと…。

いずれぜひ北陸新幹線に乗って富山県や石川県を訪れてみたいですね。過去に一度だけゴールデンウィークの時期に車で何となく(?!)ドライブに行ってしまった事があったのですが、そのとき観た立山連峰の絶景が今でも忘れられません。富士山も美しいけれど、立山連峰は別物の壮大な存在感に圧倒されます。

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越後湯沢から約50分、はくたかは直江津に到着。はくたかはそこから日本海沿いに北陸本線を走り金沢へ…。
naoetu_02_ naoetu_01_それにしても今回の2大テーマ、はくたかの乗車と沿線撮影でしたが初日のはくたか乗車だけでだいぶ楽しめたというかおなかいっぱいな気分に…(笑)

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< ふたつの『はくたか』 >

『はくたか』に使用される特急車両には大きく分けてふたつありました。北越急行が所有する『スノーラビット』とJR西日本が所有する『ホワイトウイング』です。

 

*** 赤いはくたか『スノーラビット』 ***

北越急行681系2000番台 特急『はくたか』<スノーラビット>681sr_06_

北越急行683系8000番台 特急『はくたか』<スノーラビット>683sr_07_ 683sr_08_北越急行『はくたか』の証、『スノーラビット』のエンブレム。683sr_04_ 683sr_03_ 683sr_05_

 

*** 白いはくたか『ホワイトウイング』 ***

JR西日本681系 特急『はくたか』<ホワイトウイング>681ww_17_681ww_16_ 681ww_19_ 681ww_18_ 『ホワイトウイング』のエンブレム681ww_15_

撮影地 : JR北陸本線・信越本線 直江津駅   撮影時期 : 2015年3月7~8日

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< 初めて降り立ったほくほく線のローカル駅 >

ここまで来てはくたかを撮影するなら絶対ほくほく線沿線で全開走行している姿を…とは決めていましたので、直江津からほくほく線普通電車に乗換え少し戻って大池いこいの森駅へ向かいました。撮影地へはそこから10分か15分位歩いたでしょうか…。oikeikoinomori_01_ oikeikoinomori_02_ oikeikoinomori_03_撮影地 : 北越急行ほくほく線 大池いこいの森駅   撮影時期 : 2015年3月7日

2両編成の普通電車しか停車しない駅なのでとてつもなくこじんまりとしていてローカル駅感たっぷりです。でもホームに対して駅舎はちょっといい感じにみえますね。そういえば我が地元こどもの国線も2両編成の単線ローカル線…。

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< 憧れのはくたか『高速進行』をほくほく線沿線で >

線路脇に設置されている信号機がふたつの青信号『高速進行』を現示する時、特急はくたかが最高速度160km/hで走行する事が許される。(はくたか撮る事に夢中で『高速進行』現示の信号撮るの忘れてました…)

JR西日本681系 特急『はくたか』<ホワイトウイング>681ww_06_ほくほく線を全開走行で走りぬける姿をアウトカーブの止め撮影で。思ったよりもカッコ良く記録出来ました。『スノーラビット』も1枚くらいこんな感じで撮れば良かったな…と、ちょっと後悔してたり…(苦笑)

681ww_01_ 681ww_02_ 681ww_03_ 681ww_04_

北越急行681系2000番台 特急『はくたか』<スノーラビット>681sr_01_681sr_02_

北越急行683系8000番台 特急『はくたか』<スノーラビット>683sr_02_撮影地 : 北越急行ほくほく線 くびき駅~大池いこいの森駅   撮影時期 : 2015年3月7日

『お別れは流しで…』 いつもの僕のやり方ではくたか最後の活躍を記録しようと挑んだもののほとんど上手く行かず苦労しましたが、それでも結果としてはくたからしい姿を記録する事は出来たのかな…と思ってます。それにほくほく線でのはくたか全開走行を目の前で十分堪能する事も出来たのでとても満足してます。

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< 直江津駅で流し撮り >

18時頃に直江津駅では特急はくたかと同じく今回のダイヤ改正で廃止になる『寝台特急トワイライトエクスプレス』を見れるという事で、名残惜しくも(乗車列車の時間の都合で)早めにほくほく線沿線を離れ直江津駅へ向かいました。直江津駅で長時間停車するトワイライトエクスプレスをじっくり眺めてから帰宅列車である『はくたか23号』に乗る予定で、空き時間がかなりあったためこの駅で待ってる間に現れる『はくたか』をとにかく1枚でも多く撮影する事にしました。

北越急行683系8000番台 特急『はくたか』<スノーラビット>683sr_01_駅入線を流しただけに過ぎませんがフラッグシップの683系スノーラビットをビシッと決める事が出来たので良かったなと…。

ほくほく線ホームページ・公式ブログより…3月13日のラストランとなるはくたか25号とはくたか26号はこの683系スノーラビットだったそうです。当日は沿線や駅でのお見送りが盛大だったようで、その場にいる事が出来た方々をとてもうらやましく思います。はくたか26号に乗って見送ってくれる人達に僕も手を振ってみたかったですね…いや、ホームで徐行するはくたかに旗振ってお見送りも良かったな…どっちも素敵な思い出になった事だと思います。

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北越急行681系2000番台 特急『はくたか』<スノーラビット>681sr_03_

JR西日本681系 特急『はくたか』<ホワイトウイング>681ww_07_ 681ww_08_ 681ww_09_ 681ww_10_681ww_05_681ww_11_

撮影地 : JR北陸本線・信越本線 直江津駅   撮影時期 : 2015年3月7~8日

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< さよなら『特急はくたか』 >

いよいよ特急『はくたか』とのお別れ…まだ出会ったばかりなのにとても名残惜しい…

hakutaka_03_

帰宅列車は2日間とも『はくたか23号』でした。

681ww_12_1日目のはくたか23号はホワイトウイング

681sr_05_2日目のはくたか23号は念願のスノーラビット

初日のホワイトウィング乗車の時、終点越後湯沢に近づいて来ると車掌さんの放送が始まり、1997年から18年間走り続けた特急はくたかは北陸新幹線として生まれ変わります…と。やっぱり寂しいですね…。

乗車列車は夜の運行なので景色は真っ暗で見えませんでしたが終盤の上越線に入り越後湯沢付近になると多くのスキー場のナイター照明が雪山をあちこちで照らしとても綺麗でした。

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特急はくたかは東京と越後湯沢を結ぶ上越新幹線ときっちり連携し10分程度の適度な乗換え時間で接続がはかられており、それにより北陸新幹線開業までは東京と北陸を鉄道としては最速で結ぶメインルートを担う重要な列車でした。ほくほく線での在来線最速160km/h運転もそれに一役買っていたわけです。

ところで2日目のスノーラビット乗車の際、はくたか23号の越後湯沢到着が確か3~4分遅れていました。事前に鉄道雑誌でたまたま知った事ですが特急はくたかの役割から上越新幹線との接続は最重要ミッションで、しかも遅れて新幹線を待たせるわけには行かない…上越新幹線が遅れると路線を共用する東北新幹線系統や長野(北陸)新幹線にも影響が出てしまう…。

なので、はくたかに遅れが出たときはバックヤードでフレキシブルに施策がとられるそうですが、当日は越後湯沢駅での新幹線乗換え改札機の処理が時間を食うことから、そこを開放してしまい改札省略していることをしきりに放送で案内していました。新幹線の発車時間も迫っている事からスムースな乗換えを促すべく案内が繰り返され、越後湯沢駅の民族大移動は恐ろしく壮観なものになっていました。

最後にそういったシーンに出会えた事も特急はくたかを特徴付けるひとつの思い出になりました。

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< 『翼は消えず、生まれ変わる。』 >

この記事を仕上げている今この時、すでに特急はくたかはJR在来線・ほくほく線から姿を消し、北陸新幹線へと大きくはばたいて行きました。テレビをつければこの週末北陸新幹線開業の話題で持ちきり、いまだかつて新幹線開業のニュースでこれほど大きく話題になった事はあっただろうかという勢いです。

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いずれ北陸新幹線に乗って北陸を旅してみたいですね。特に印象深いゴールデンウィーク頃の立山連峰の絶景を観ながら海の幸でも…。

また、もう『特急はくたか』はいないですがせっかくのちょっとした縁ですからほくほく線沿線も普通列車でもうちょっとゆっくり巡れないかな…と思うところもありますね。

いつか来るであろうそんな日を楽しみに…。

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さよなら特急はくたか…

こんどは北陸新幹線で…

さよならスノーラビット…

こんどはほくほく線超快速で…

 

※余談ですが、自分でもこんなに特急『はくたか』が好きだったのかと驚いてます(笑)

※特急『はくたか』の役目を失った『ホワイトウイング』『スノーラビット』は開発元のJR西日本で今後も北陸本線特急として活躍するそうです。赤いはくたか『スノーラビット』は塗装変更されるそうなので見納めですね。

 

 

『翼は消えず、生まれ変わる。』< 特急はくたか >” への2件のコメント

  1. こんばんは。

    先日は北陸遠征お疲れ様でした。
    全力で止めに行った(?)僕ですが、やはり仕留めるところはバシっと仕留められており羨ましいですね(笑
    スノーラビットには薄々憧れていた程度だったのですが、
    引退となると一度見ておきたい欲が日に日に強くなりまして・・・
    それにしても、まさかそれぞれ北陸を東西から攻めることになろうとは思いませんでしたが(爆
    お金と時間の余裕さえあれば僕もほくほく線で撮影してみたかったです。

    いずれ北陸新幹線にも乗りに行きたいところですね。
    是非ともいつか通過するW7系をズーミングしましょう(笑

    • ありがとうございます^_^
      そして北陸遠征お疲れ様でした。
      僕自身もずっと乗りたい撮りたいと願いながら叶わずにいましたが、500のぞみ引退レベルの行動に無理矢理打って出た今回の件でこんなにはくたか好きだったっけ…と自分で驚いてます(^^;;
      越後湯沢で雪晴れの素晴らしい景色を見たときは降りてここで撮りたいと思ってしまいましたが、ほくほく線沿線での撮影にこだわって泣く泣く手放しました(T_T)

      いずれ一緒に北陸新幹線をズーム流しで仕留めてやりましょう!

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