【北東北紀行6】遠い記憶の… <星と森のロマントピア>

東京近辺に住んでると何処に行っても街は明るく、夜でも遠くの夜空が明るく照らされるほど…。ずっと夜空を見上げてればちょっとは目もなれて星空もみえなくもないかな…。
それまで経験のなかった『満天の星空』や『天の川』に初めて出会い感動をしたあの出来事も、今となっては20年以上も昔の遠い記憶…。
気が付くと…もう10年か…いや15年はそんな星空をみて感動したなんて出来事はすっかりなくなっていました。


北東北紀行初日の夜に『弘前ヨルレーーン』を盛大に楽しんだその後、どうしても行ってみたかったところ…弘前市相馬地区にある『星と森のロマントピア』。
バーベキューなどの野外活動や冬にはスキー場にもなるようで宿泊も可能、そして好天に恵まれた夜には満天の星空が…。

以前に写真で観た、ロマントピアから岩木山を望む方向に眺めた満天の星空写真が印象に強く残っており、弘前訪問が決まった時から可能なら是非行きたいと願ってました。

そして『弘前ヨルレーーン』で遅くなり、次の日も早朝から動かなくてはならず早めに休んでおきたい状況にも関わらず、『ロマントピアに行きたい』というわがままを受け入れてくださりその願いを叶えてもらえる事になりました。


星と森のロマントピアより

岩木山と満天の星空を臨む…

いつも流し撮りばかりハマっていて他に写真撮る機会にあまり触れないせいかもっと『星空写真んんんんんん〜!!!!!!』って感じのものを撮りたいと思っても上手く撮れる腕も経験もまるでなく…(^^;;

けど、やはり行く事が出来て本当に良かったなと思いました^_^

撮り慣れない星空写真を残す事に必死になりつつも、その場所に着いてすぐに永い年月の間想い出す事のなかった懐かしい感動を呼び醒ます事が出来ました。


<約24年前…道東紀行>

初めて『満天の星空』というものに出会ったのは、改めて確認してみたらもう24年も前でした…。初めての北海道、初めて乗るブルートレイン『北斗星』『エルム』、その時の切符を今でも持っているのでそれで分かったのですが、今思えばその時も全てが初めて尽くしで常に感動の嵐に襲われ続けてました。今回の『北東北紀行』と全く同様のケースといえます。

獣医師になりたいと道東にある某大学への進学を決め、夢の実現に向けて一歩を歩み始めた知人宅に3人で寝泊まりし、車であちこち走り回りたくさんの初めてのものを体験させてもらい充実した『道東紀行』でしたが、その時のとある夜の体験…。

夜中に北へ向かって車を走らせ、おそらくどこかのキャンプ場か何かだったと思います。
ぽつんと露天風呂…というよりもはやそこに自然に湧き出ていたちっちゃな湯だまり…といったほうが正しいくらいのこじんまりした露天温泉。その脇に手作り感たっぷりな簡素な脱衣所…というよりヒト一人入るのが精いっぱいのボロい小屋があり…。
周りは真っ暗で何も見えない…ここがどこの何だかもはやさっぱりわからない…何だかいつ熊が出てきて襲われてもおかしくないような状況の中でしたが、その温泉に浸かり『いやぁ…いいねぇ…』となってたその時、『空見てみなよ』と言われふっと見上げた空に度肝を抜かれました。

真っ暗な空には無数の明るい星が…というかもう星しかないというかこうなるとすでに『星空の中に黒い何かがある』くらいの壮大な光景…。
『満天の星空』とはこれを言うのか…と圧倒され、その感動の光景はこの目に焼き付いて今でも忘れません。

実は北海道を訪れたのはこの一回限り…。なかなか行く機会に恵まれず、いつかまた行ってみたいと願ってます。またあの満天の星空を見てみたいと…。


<約19年前…秩父往還・雁坂峠>

それから何年か時は流れ…おそらくもう19年くらい前…。
とある大切な人を僕がお気に入りのルートへドライブ行こうと午後に誘い出し、ひたすら一般道を横浜から国道16号線→埼玉県日高・飯能から国道299号線→秩父から国道140号(彩甲斐街道・雁坂みち・秩父往還と色々呼称があります)と走り山梨県塩山・甲府方面を目指してました。

そのドライブ最大の目的地は当時開通して間もなかった延長6625mの長大トンネル『雁坂トンネル』を通過する事でした。地図を眺めるのが好きである日、国道140号線が埼玉県熊谷市と山梨県山梨市を秩父経由で結んでいるものの途中の埼玉・山梨県境に当たる『雁坂峠』で分断されており、その解消に向けて『雁坂トンネル』が建設中だと知りました。
※『開かずの国道』と言われたそうです

すっかり興味を惹かれその存在を知ってから数度通ったものの未だ開通に至っておらず、いつも秩父湖二瀬ダムのところにある謎の怪しさ満点な、入口に信号機が設置され交互通行制御されていた『洞窟みたいなトンネル』のところで夜中に引き返す羽目になってました。
そのトンネル入口の所に確か『山梨方面へは行けません』という趣旨の看板が立っていたように微かに記憶してます。それを見ていつも引き返してたのかも…。
※現在は二瀬ダム周辺にトンネルとは別の新道が整備されその怪しいトンネルは入口が塞がれているようです、Googleマップストリートビューでの確認ではありますが…。

その後、テレビのニュースで開通(1998年4月23日開通だったそうです)を知り早速何度か通うようになりお気に入りのドライブコースとなってました。
※旧来の秩父湖二瀬ダムルートも雁坂峠に至るルートとして残ってるようですが、雁坂トンネル開通時に秩父湖ルートのかなり北側の山の中を通る、全く別ルートの大型車通行にも配慮された新しい道路が整備され開通以来秩父湖ルートにはほとんど行ってません。

そんなお気に入りドライブコースにその人を連れて行こうと思い立ち、奥秩父・雁坂峠を目指しのんびりとした下道ドライブが横浜から始まりました。
時期的には11月初旬だったのでおそらく紅葉の季節だったのではと記憶してますが、残念ながら周囲の山々の景色がどういう様子だったか…そこまではっきりと覚えがなく少々残念ですが、その道中はお互いに口数こそ多くはなかったものの色々と話が出来て楽しい時間を過ごせたのはもちろんの事、そのなかで今後の自分の進むべき道を直感させられた奇跡の時間だったと…今もそう思っています。
そして奥秩父の山々に囲まれ山道を快調に走り続けるうち、ついに目的の『雁坂トンネル』を通過。そこからしばらく山梨方面へ向かって少しだけ山を下って行った道路脇で休憩することにしました。

ちょっと落ち着いて、空を見上げるとそこには思いもかけず綺麗な天の川が…。まさかそんなものが観れるとも思ってなく、それもあまりに綺麗だったのでおもわず、しばらくの間言葉を失ったままずっと空を見上げてしまってました。北海道の満天の星空も凄かったですが、初めてみた天の川もとても綺麗で今でも印象に強く残ってます。
その時…その人と一緒に過ごせた時間が…色々交わした会話や一緒に観た天の川が…現在につながるとても重要な出来事であったのは確かでした。

この出来事がなければ極端な話ですが行き着く所、このブログの存在も…流し撮りにハマっている自分も居なかったかも知れませんからね…(^^;;
運命とはわからないものです(^^;;


それからも時々流星群を観に行こうと静岡県の御前崎まで車を走らせたり、星を観ようというような事もたびたびあったのを記憶してますが、いつ頃からか…色々な状況の移り変わりの中でそのような余裕すら持てなくなり、公私ともに苦しい時期が長く続き…気が付けばもう10年以上…15年以上…?は星なんてみてなかったような気がします。

そして、先の北海道と雁坂峠の星空は僕の中ではとても大きな想い出となる特別な出来事ではあったものの、想い出す余裕もなかったそんな遥か遠い記憶をこのロマントピアの満天の星空が呼び醒ましてくれたのを感じる事が出来ました。


今回の旅は最初の段階では家族を一緒に連れて行きたいと考え家庭内で検討もしていましたが、諸々の事情から連れて行くのは難しいという話で落ち着いてしまい、結果的に僕一人で行く事になり3日間自宅を留守にしてしまったのが唯一心残りな部分でした。

ロマントピアへ案内していただいたRyuさんからも『今度来る時はゆっくり家族で』とのお言葉もいただき、本当に出来れば次はそうしたいと心から願う素敵な旅のワンシーンとしてロマントピアの星空が刻まれた想いです。

遠い記憶の…あの時…雁坂峠で偶然天の川に出会い一緒に静かな時間を過ごした大切な人を、今回は自宅に置いて来てしまった心残りと、永い年月に渡って一緒に星空を眺める余裕すら持てなかった心残りを…、いつか埋める事が出来れば…今度は家族みんなでロマントピアの満天の星空を眺める時が来る事を願って…。

 

撮影日は2017年5月20日

【北東北紀行7】青函トンネル来てまで流しかよっ! に続く

 

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